「もう1回食べたい名古屋名物は?」。
転勤などで名古屋を離れた人たちにこう尋ねると、
かなりの確率で返ってくる答えがこれ。
味仙は愛知県内に12店舗(名古屋市9+日進市1+豊田市1+中部国際空港内に1)、東京都内に3店舗(神田2+新橋1)、大阪府内に1店舗ある台湾料理の専門店。台湾ラーメンはこの店の代名詞とも言うべき名物メニューです。ムチャクチャ辛いんですが、これがなぜかクセになり、全国各地にまでファンの輪を広げています。
この台湾ラーメン。名前に反して実は台湾には存在しません。今から50数年ほど前、味仙が独自に開発したメイド・イン・名古屋のオリジナル料理なんです。本国の担仔麺(タンツーメン)をベースに辛くアレンジしたのが始まりで、もともとは従業員用のまかない料理だったとか。これを常連さんに出したところ好評で、メニューに加えることに。そして、80年代の激辛ブームを追い風に、一気にブレイクを果たしました。坦々麺など通常1.330kcalに対してなんと“台湾ラーメン”は490kcal(当社比)と意外と低カロリーも人気の秘密かもしれません。
*辛いのは苦手なお客様には辛さを少々抑えた(アメリカン)もございます。
この人気沸騰をきっかけにして、台湾ラーメンは一気に名古屋中のラーメン店に広まります。今では市内の7割近い店がこれをメニューとして採用しているほど。全国区の超人気ラーメン店の社長をして「台湾ラーメンこそ名古屋ラーメンだ!」と言わしめた、もはや立派なご当地ラーメンというべき存在なのです。その他人気メニュー 青菜炒め、酢豚、あさり汁、麻婆茄子など、どれも素晴らしくおいしいです!
ユーザーも認める一様に「元祖は味仙さん」と口を揃えます。この手の名物は大体が「いや、本家はウチだ」と言い張るところが出てきてモメたりするものなんですが、こと台湾ラーメンに関しては、「味仙発祥」が揺るぎない歴史的事実として浸透しています。